シェイクスピアの作品は、その多くが今もなお世界中で愛されています。その作品についてまとめてみようと思います。そして今回は作品の前に、シェイクスピアその人について探ります。
youtubeのコンテンツも並行する予定です。よろしければご視聴もお願いします。
シェイクスピアという人物
1564年に生まれ、1616年に没したウィリアム・シェイクスピアは、イギリスの劇作家であり詩人です。
実は、どんな子供時代を過ごしたかなど若い頃のことはあまり分かっていません。
彼はイギリスの小さな町、ストラトフォード・アポン・エイヴォンで生まれました。18歳の時にアン・ハサウェイと結婚し、3人の子供がいます。演劇にかかわる経歴の始まりはロンドンの舞台役者でした。その後、劇作家となりました。
その他、どんな教育を受けたか、どんな宗教を信じていたか、どんな恋愛をしたのかなどは謎のままです。さらにはシェイクスピアとされている数多くの作品が本当に彼が書いたのか確かではありません。
作品とスタイル
戯曲と詩集がありますが、主に知られているのは戯曲ですね。
戯曲は喜劇&歴史劇→悲劇→ロマンスへ
彼の初期の作品には「真夏の夜の夢」や「ベニスの商人」といった喜劇や「リチャード三世」「ヘンリー5世」などの歴史劇があります。
中期の作品には「ジュリアス・シーザー」「ハムレット」「オセロ」「リア王」「マクベス」「アントニーとクレオパトラ」などの重厚な悲劇があります。
後期、晩年に書かれた者は「ペリクリーズ」「冬物語」「嵐テンペスト」などのロマンス※です。
最晩年の作品は1610年の「嵐テンペスト」です。これ以降に書かれたといわれる「ヘンリー8世」や「二人の貴公子」についてはジョン・フレッチャーと共作であると言われています。
「ロマンス」とは
現代の感覚ではラブロマンスを想像しますが、文学や歴史の教科書の「文化」で出てくるロマンスは、そのラブロマンスの元になったジャンルです。
本来は騎士道物語と言われるもので、主人公が課題を乗り越えていく冒険がメインになり、その途中や結末に恋愛が成就したり…。勇者が冒険して困難を克服してヒロインと結ばれるRPGみたいな物語ですね。
詩:ソネット(14行詩)
シェイクスピアはその作品中で、愛や欲望、権力とその腐敗、裏切りや忠誠心など、人間の根源的な感情や動機を深く掘り下げています。
詩人として「シェイクスピアのソネット」を発表しており、そこには154編のソネットが収録されています。
テーマは時間の経過、愛、不貞、嫉妬、美、死など。
戯曲中にもソネットの使用あり
14行詩は劇中でたびたび使われています。
たとえば「ロミオとジュリエット」
序盤、舞踏会で顔を隠したふたりはお互いを知らずに踊り、惹かれあいます。そのとき踊りながらの会話がソネットです
(踊りのために互いの)
手が触れ合うことが許されるなら
手に許されることを、唇にも許してください…的な。
要約:からぽん
14行詩なのでもっと長いのですが、要約すること↑になります。
ロミオのチャラさはともかく、
お芝居でみてもこの場面の会話はダンスや音楽を背景にして甘やかで美しい記憶があります。
代表作の紹介
シェイクスピアの作品は世界中の人々から賞賛を受けてきました。
ロミオとジュリエット
恋人たちの悲劇的な運命を描いたこの作品は、おそらくシェイクスピアの最も有名な作品でしょう。
マクベス
暗く、力強い悲劇の一つです。物語の舞台はスコットランド。英雄である将軍マクベスが魔女の予言に踊らされ、追い詰められていきます。
ハムレット
復讐と狂気を描いた悲劇で、シェイクスピアの最高傑作とも言われています。
真夏の夜の夢
ファンタジーと現実が絶妙に絡み合った作品。数組の恋人たちと妖精のドタバタを描いた喜劇です。
ベニスの商人
悪徳高利貸しの登場人物シャイロックが有名ですね。財産、恋愛、先入観、復讐を取り扱った作品。ちょっと意外ですが喜劇です。
今後の予定
今回名前を挙げた作品以外にも有名なものはたくさんありますね。
今後詳しく取り上げる予定の最初は「ロミオとジュリエット」その後は順不同で4大悲劇と有名な喜劇。合計10作品くらいです。
シェイクスピアの四大悲劇
これはやらないわけにはいきません!
四大悲劇とは
「ハムレット」「オセロー」「マクベス」「リア王」の4作品を指します。シェイクスピアの中期から後期にかけて書かれたものです。
洗練された構成、豊かな言葉遣い、そして人間のカルマと運命についての深い洞察があり、どれもシェイクスピアの最高傑作といわれます。
ハムレット
デンマークの王子ハムレットが父の死の謎を追い、その復讐を遂げるための苦悩と闘争を描いています。
オセロー
モーリスの将軍オセローが、部下のイアーゴー陰謀によって妻デズデモーナを疑い、破滅に向かう物語。
マクベス
スコットランドの将軍マクベスが、魔女の予言にそそのかされて王位を手に入れようとし、結果として破滅へと突き進む物語。
リア王
ブリテンの老王リアが、3人の娘に領地を与えると約束した後、裏切られて狂い、荒野をさまよい、最終的には悲劇的な結末を迎える物語。
シェイクスピアの喜劇
シェイクスピアの喜劇には「四大喜劇」や「三大喜劇」と決まったものはありませんが、有名な喜劇は以下の5作品でしょう。
真夏の夜の夢
何組かの恋人、妖精、素人演劇の役者たちを巻き込んだ騒動を描いています。魔法と現実の境界が曖昧な物語です。
ベニスの商人
若き商人アントニオが、恋愛を成就させるために命がけで借金をします。高利貸しシャイロックは有名なキャラクターですね。
十二夜
行き別れた双子の兄セバスチャンと妹ヴァイオラの物語。誤解をもとにした恋愛の騒動を描いています。
空騒ぎ
一方は善意の策略によってベネディックとベアトリスが結ばれ、他方では悪だくみによってクローディオとヒーローのカップルが危機に陥ります。恋愛のドタバタ劇です。
お気に召すまま
男装して森へ逃れたロザリンドは羊飼いたちの恋愛騒動に巻き込まれたり、男だと思い込まれたオーランド―から恋の告白の練習相手にさせられたりします。恋愛喜劇の代表例です。
恋愛喜劇には男装した女性が登場
当時の社会は、若い女性にとっては危険だったり、働きにくかったりしたのですね。
でも、ヒロインが男性を装っていたら、恋愛は難しくなりますよね。当然のように誤解や行き違いが起きて、結果はハッピーエンド。途中のドタバタを面白がる喜劇です。
まとめ
現在までの上演されつづけ、読まれ続けている作品です。彼の作品をしっかり観たり読んだりしたら、人間の根源的なテーマを深く掘り下げることができそうです。
ということで、今後はゆっくりとシェイクスピアの作品を楽しんでいこうと思います。
アニメや漫画の観賞や考察も続けていきますよ。
古くても新しくても好きな作品にたくさん出会って楽しみたいです。