烏養コーチが烏野排球部にやってきた初日のできごとです。
コミック3巻第24話「チーム烏野、始動」、アニメ1期第10話の烏養コーチの呟き「…非情だな…」の意味を考察、確認します。
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なんで今さら?
実はアニメから入ったわたしは、ずっと「異常だな…」と聞き違えておりました。
いずれにしてもひっかかりのある呟きですが、影山×日向の速攻をみた烏養コーチは「お前ら変人か!?」とも言っていいるし、ふたりのことを異常だと呟いたのかと…。
でも海外勢のリアクション動画を観ていたら”cold”とか”cruel”という字幕が目に入り、あらためてAmazonプライムの字幕で「非情だな」と確認!
聞き違いを確認したら、意味が???となってしまい。あらためてここを見直し&オリジナルを読み直し&ついでに英語版も読みました。この副産物の記事が先日の【ハイキュー】みんなの熟語Tシャツです。
今回はあらためて、烏養コーチの「非情だな」について、何が非情なのか? そして直前に武田先生への質問の意図について、確認、考察しています。どうぞおつきあいください。
「非情だな…」直前の問いと武田先生の返事
あの2人…同じ中学出身か? それとも小学校から一緒とかか?
ふたりは会ったばかりで、最初は馬が合わなくて大変だったみたいですよ。
烏養コーチが、影山×日向の付き合いの長さを尋ねた理由も誤解していた
誤解というか、「異常だな…」で理解していたときの背景です。
ふたりの会話内容から関係性を確認したのかと…
影山のエースに憧れる日向にたいする言葉は辛辣。「お前はエースになんかなれねぇ」や「下手くそ」など。こういうずけずけと言える関係。つまり幼馴染など長い付き合いだから言えたのか確認したかった。
この部分だけなら無理のない読み方だと思います。が、このあとに「非情だな…」とくるなら、烏養コーチの心にあるのは、これじゃない!
コーチとして、バレーボール部のチームの状態を見たくてこの試合をさせているんですものね。会話も無視はしないでしょうけれど、それ以上に眼前で行われている映像を見て、チーム作りを考えている状況なわけですから。
個人的に、わたしは文字読みなのだと再確認。つい、文字(セリフ)情報を重視してしまう。アクション漫画やスポーツ漫画の佳境!ほとんどセリフがないところは、ほぼ理解できないまま対戦が終わってしまうことあり。残念すぎる。アニメなんだから…漫画なんだから…いちいち言葉で説明してないこともたくさんある!
あんな特別な攻撃は長年の練習や、息の合った親友でないとできない筈、そうだよなという確認の質問
こちらが正解のようです。
それだけバレーボール経験者から見て、変人速攻は特別。よほど親しい関係で、さらに長い年月でようやく成立する特別な攻撃と認識だということ。
烏養コーチの目線で、隣の武田先生の反応とともにおさらい
- 影山×日向の変人速攻の初見
- 烏養C うおお!? なんだ!?
- 武田Tは烏養くんを見てニヤニヤ
- 菅原×旭エースのスパイク(+西谷ブロックフォロー)
- 武田Tがブロックフォローに興奮
- 烏養Cはブロックフォローなんてそうそううまくいかないが、スパイカーはブロックされても終わりじゃないとわかっていることが大事だ
- 影山×日向速攻2回目
- 烏養C ぽかーん。― この1年セッター…ちんちくりんの動きに…完全に合わせたのか…!? それに「トスが来るから」ってなんで言い切れるんだ!? お前ら変人か!!
- 試合前の菅原の発言「圧倒的な才能の陰に隠れて、安心…してたんだ」を思い出す。
- 影山は天才てやつなんだろう。凡人はたまったもんじゃない。
―が ←この時点の烏養コーチは「天才」も絶対ではない!と思っている。
- 菅原×旭の平行スパイク
- 烏養C トスとスパイクの一瞬の呼吸… たくさんの練習と積み重ねた時間があるからできること。あの信頼関係は一朝一夕で築けるものじゃない。
- 影山にあるのが「圧倒的才能」だとしたら、菅原は積み重ねた「信頼と安定」
- 「いいじゃねえか…! 今の烏野…!」と興奮気味。
- ”日向がエースに見とれて顔面レシーブ”試合が中断。
- 影山×日向 速攻3回目 日向の躱して跳んだ速攻
ここで今回のあの場面に至ります。
あの2人…同じ中学出身か? それとも小学校から一緒とかか?
ふたりは会ったばかりで、最初は馬が合わなくて大変だったみたいですよ。
烏養C 非情だな…
「非情…」現実は、積み重ねた努力や願いの反映ではない
人間らしい感情をもたないこと。感情に左右されないこと
感情のないもの、無生物(仏)
情が入る余地のない状況
その場の指示で日向は即座にブロックを躱し、影山はそこに完全にトスを合わせた。
3年生が積み重ねてきた経験や築き上げた信頼と安定を凌駕して、一朝一夕で特別な速攻を完成させた1年生コンビが存在するという現実。
ひとの情や思いとは別次元の現実。
非情な現実を目にして、烏養コーチはチーム構成を考えながらセッターに迷っています。
烏養コーチはどういうひとか&試合前のセリフから
コーチの紹介
名前:烏養 繋心(うかい けいしん)
烏養:からすをやしなう
繋心:つなぐこころ
コーチですねぇ。
元烏野高校排球部(以降はバレー部)セッター。当時は控え。現在も町内会チームに参加してバレーを続けている。かつて烏野の烏養と名を馳せた名監督の孫です。
今日のキーフレーズ「非情だな」「おまえら変人か」
…非情だな/Now that was Cold
訳し戻すと「ってことは、非情だな」 「…」を汲み取って英訳してある。全部の「…」を訳しているってわけじゃないと思うけど。
おまえら変人か/You two Freaks or somethin’?
訳し戻すと「お前ら変人かなんかか」こちらはそのまんまですね。
試合開始前、烏野のメンバーがそろったのはコーチのおかげ
細かい事情は知らないし「まあいいや」と西谷を町内会チームに参加させる
西谷は旭が戻らないチームで試合には出ないと決めており、突然の練習試合に戸惑っている。
事情を知っているキャプテン大地も西谷に気をつかう…
烏養コーチ:
オリジナル
怪我じゃねえの? …よくわかんねえけど…。じゃあ町内会チームには入れるか?
So he’s not hurt, But he can’t play for you guys…Can’t say I get it, But ah, well. How ‘bout he joins the municipal side?
オリジナルより親切というか、説明的かな。
→日本語に訳し戻してみると
ケガじゃないけど、そっちでプレイできないって…? よくわかんねえけど、まあいいか。町内会チームに入るのはどうだ。
municipalは、本来「市営の、自治体の」といった町内会よりも堅い組織な感じ。町内会ってもっとラフなイメージだけど、ここではどうでもいいか…。
「入れるか?」ではなく「町内会チームに入ってくれよ」でした。
声優さんのお芝居も手伝って、事情を知らないあっけらかんとした感じで、”偶然にも”都合のよい流れに乗せてくれました。
遅刻だと!なめんなよ、金髪ピアスのにいちゃんらしい強引さがグッジョブ
1か月ぶりの部活におずおずと、むしろびくびくと近づく旭。大地にへなちょこと呼ばれる旭は、きっぱりと指示されたら、たぶん指示通りに動く。だから、旭を見つけて遠慮なく知らせる日向と、遅刻はさらっと、とにかく試合に参加しろという指示をだした烏養コーチ!がうまく背中を押しています。こちらも結果オーライ。
オリジナル
なんだ遅刻か、ナメテんのか、ポジションどこだ!! 人足んねえんだ。さっさとアップとってこっち入れ。すぐ!! すぐ、すぐ!!
What somebody’s late?! Lazy punk! What’s your position? We’re short bodies! Get yer butt in here and get warmed up! Now!! Move! Move!!
→日本語に訳し戻してみると
だれか遅刻してるってか? さぼりか! ポジションどこだ? 人足んねえんだ。さっさとこっち来てアップしろ。すぐ!! さあ!動け!!
オリジナルと英語版での微妙な違いは”Get yer butt in here and warmed up”の語順。英文では「こっちにきてアップしろ」としか読めません。が、日本語オリジナルは
- アップをとって
- こっち入れ!
という順番。アップをとるにはその前に体育館に入るだろうと思われるし、今の事情を知っている読者は「町内会チームに入れ」と理解するでしょう。作中人物の旭にとっては詳細が曖昧な指示です。が、へなちょこ旭の背中を押すには細かいことより勢いでしょう。
まとめ
烏養コーチは引き受けるまでは渋っていたのに、引き受けたからにはいきなりの本気モード。そうさせるだけの魅力が烏野バレー部にあったということ。それは影山×日向だけではありません。
「いいじゃねえか、今の烏野」と興奮したのも天才セッターを見た瞬間ではなく、安定と信頼の3年生セッターのコンビネーションも確認したときでした。
それでもやはりメインキャラクターふたりのコンビの特殊性と、一年生セッターの圧倒的な天才ぶりを確認して「非情だな」とうならずにはいられない。チーム全体を見る烏養コーチの参加によって、このあとのGW合宿で烏野バレー部のおおよその枠組みが形成されます。次回はこの合宿中、烏養コーチがセッターを決めるまでを深掘りする予定です。メインは烏養コーチか、菅原です。
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